東京の一極集中が高まる日本のビジネス環境。輸入超過が拡大する一方で、地方の雇用創出に向けた効果的な糸口は見出せていません。

そのような中、転職仲介サイトのキャリアインデックスは8月、「働きたいエリアランキング」を男女総合と男女編にわけてそれぞれ発表しました。総合編で1位となったのは、日本を代表するオフィス街・丸の内で、次いで新宿がランクインしました。

一方、男女別に見ると男性１位には東京都内以外が選ばれ、女性編では４位、総合編でも３位に入るなど、意外にも多くの社会人が都心以外で働きたいと望んでいることが明らかとなりました。

キャリアインデックスは「満員電車でのストレスや、会社近くに家を借りる場合の家賃の高さなど、東京都内以外の勤務先であれば回避できる問題からこの順位となっている可能性が高そう」と指摘。一極集中による交通渋滞や家賃高騰などが重荷となっていると分析しました。

本記事では、キャリアインデックスによる調査をもとに、社会人が働きたいと思うエリアについて詳細に見ていきます。

1　働きたいエリアランキング

キャリアインデックスは、関東在住の社会人515名を対象に転職する際、「働いてみたいエリア」に関する調査を行いました。調査は、男女総合編と男性編、女性編の３つに分けて行われ、それぞれランキング化し発表しました。

1-1　総合１位は丸の内

総合編の１位は「丸の内」が選ばれ、次いで「新宿」、３位には「東京都以外」が入りました。このほか、４位「銀座」、５位「日本橋」、６位「品川」、７位「恵比寿」「代官山」「中目黒」、８位「八重洲」、９位「表参道」、10位「渋谷」となりました。

・ 働きたいエリアランキング

（キャリアインデックス調査資料より作成）

キャリアインデックスによると、「丸の内」は回答者の約3割からの票を集めました。また、その人気の理由について「各方面からのアクセスもよく、名を連ねる企業・利便性の面からも人気が高い」と分析しました。

1-2　男性１位はなんと、「東京都内以外」！

男女別に集計した結果によると、男性１位の人気エリアには「東京都内以外」が選出されました。次いで、２位「新宿」、３位「丸の内」、４位「品川」、５位「八重洲」、６位「日本橋」、７位「銀座」、８位「渋谷」、９位「恵比寿」「代官山」「中目黒」、10位「表参道」と続きました。

意外にも「東京以外」が１位となった男性編の人気エリア。キャリアインデックスは、満員電車のストレスや、家賃の高さなどが都心以外なら解消されるからではないかと分析しました。

1-3　女性編では「東京都内以外」は４位

一方、女性に人気のエリアは、昔からOLのイメージが強い「丸の内」が１位となりました。次いで２位「新宿」、３位「銀座」、４位「東京都内以外」、５位「恵比寿」「代官山」、６位「日本橋」、７位「表参道、８位「品川」、９位「外苑、青山」、10位「八重洲」となりました。

（キャリアインデックス調査資料より作成）

女性編ランキングの特徴について、キャリアインデックスは、「恵比寿、代官山、中目黒」エリアや「表参道」「外苑、青山」エリアが高順位でランクインしているのも特徴。お洒落な街のイメージが強く、ファッションブランドやカフェなどが軒を連ねているのが人気の要因」と述べました。

2　年代別のランキングを確認

次に、人気エリアを年齢別にみると、30代では「新宿」が、40代では「東京都内以外」がそれぞれ１位となりました。

2-1　キャリア志向の高い30代

30代の社会人に最も人気だったのは「新宿」で、次いで２位「丸の内」、３位「東京都内以外」、４位「恵比寿、代官山、中目黒」、５位「日本橋」「品川」、７位「銀座」、８位「渋谷」、９位「表参道」、10位「八重洲」となりました。

30代で「新宿」が１位になったことについて、キャリアインデックスは、「まさにキャリアを重ねていく段階で憧れの街である」と述べました。

2-2　40代になると落ち着く？

一方、40代では「東京都内以外」が首位となりました。このほか、２位「丸の内」、３位「新宿」、４位「日本橋」、５位「品川」、６位「銀座」「八重洲」、８位「恵比寿、代官山、中目黒」、９位「渋谷」、10位「表参道」と続きました。

（キャリアインデックス調査資料より作成）

交通の利便性が高く、落ち着いたビジネスエリアが多く入った40代で、「東京都内以外」が１位になったことについて、キャリアインデックスは「キャリアをこれまで20年近く形成し、都外での仕事を考え始める時期なのかもしれない」と分析しました。