国内で事業を営む上で欠かせない道具の一つが「印鑑」です。印鑑とは、個人や団体が自らの存在を証明する目的で用いるものであり、印鑑を押すことで責任や権限を証明することができます。
契約書や請求書などの文書はもちろん、役所や金融機関での手続きなど、あらゆる場面で印鑑は用いられています。そんな印鑑は、会社のみならずフリーランスや個人事業主にも必要となります。業種により程度の差はあれど、事業を行うとほぼ必ず印鑑を用いる場面は出てくるため、事業を個人で始めるに際しては、必ず印鑑を持っておく必要があります。
とはいえ、新しく個人事業主やフリーランスでの活動を始める方は、印鑑の必要性や使う場面、持つべき印鑑の種類など、わからないことだらけだと思います。そこで今回の記事では、フリーランスや個人事業主の方に向けて、印鑑を使用する場面や複数持つメリットとデメリット、その後の会社設立を踏まえたポイントについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。
目次
1 フリーランスや個人事業主が印鑑を使う場面とは
そもそも、フリーランスや個人事業主は印鑑をどのような場面で使うのでしょうか?結論としては、業種や事業内容によって使う場面は変わってきます。例えば、ほとんどインターネット上で完結するビジネスの場合は、あまり印鑑を使わないでしょう。一方で商品を仕入れて実際に取引先などに会って納品するようなビジネスだと、印鑑を使う場面が必然的に多くなります。
この章では、あらゆるビジネスを想定し、一般的にフリーランスや個人事業主が印鑑を使う場面を6つご紹介します。
1-1 役所などの公的機関への書類提出
フリーランスや個人事業主として働くと、役所や税務署などの公的機関に書類を提出する場面に多々直面します。こうした場面での書類提出では、ほぼ確実に印鑑が必要となります。
例えばフリーランスとして本格的に事業を行う場合、税務署に開業届や青色申告承認申請書などを提出します。こうした提出書類には、一つ一つご自身の印鑑を押さなくてはいけません。また、不動産業や旅行代理業といった一部の事業を行う際には「許認可」が必要であるため、必要な書類を揃えて都道府県知事などに印鑑を押した書類を提出する必要があります。
いわば役所などの公的機関に提出する書類は、個人事業主として事業を行う上では必須となるものばかりです。提出しないとまともに事業を運営できない可能性もあるため、印鑑は事実上必ず用意しておく必要があるでしょう。
1-2 銀行での手続き
フリーランスや個人事業主にとって欠かせない銀行での手続きでも、ほとんど必ず印鑑が必要となります。個人で事業を行うに対しては、事業用の口座開設や口座振替での支払いなど、あらゆる場面で銀行のお世話になるはずです。こうした手続きでは、ほぼ必ず印鑑が必要となるため、持っていないとまともに口座開設や口座振替すらできません。
また、個人事業主として本格的に事業を拡大するために、銀行から融資を受ける場合もあるでしょう。銀行から融資を受ける際にも、基本的に印鑑の押印は必要となります。したがって、印鑑を作っていないと事業に必要な運転資金を用意できないため、本格的に事業を運営することが困難となってしまいます。
スムーズに事業を運営するためにも、個人事業主やフリーランスとして本格的に事業を経営する以上、印鑑は必ず用意しておくのがベストです。
1-3 契約書への押印
原材料の仕入れや新しい顧客への商品を販売するときなど、フリーランスや個人事業主として働くとあらゆる場面で契約書を締結します。そんな契約書の締結では、内容に同意したことを証明するために印鑑で押印することがほぼ必須です。
例えばフリーランスとして働くと、下記の契約書を締結する場面に出くわします。
- ○業務委託契約書
- ○請負契約書
- ○秘密保持契約書
- ○売買契約書
- ○リース契約書
- ○賃貸借契約書
- ○基本契約書
- ○委託契約書
- ○保証契約書
- ○雇用契約書
- ○ライセンス契約書
- ○供給契約書
上記はあくまで一部に過ぎず、業種や働き方によっては他にも様々な契約書の締結が必要となるでしょう。みてもらうとわかるように、事業を営んで利益を得るためには、契約書の締結が必須となります。例えば商品1つを販売するだけでも売買契約書が、一つの仕事を請け負うだけでも請負契約書の締結がそれぞれ必要です。
印鑑がないだけで、こうしたあらゆる契約を締結できなくなるため、実質的に商品一つすら売れなくなる可能性があるのです。そう考えると、多少の手間や費用をかけてでも印鑑は作っておいて損はないでしょう。
1-4 見積書や請求書、発注書への押印
フリーランスや個人事業主として働く上では、見積書や請求書、発注書の発行も必要となるでしょう。見積書とは、商品やサービスの取引条件や値段などを買手側にあらかじめ提示するための書類です。請求書とは、商品やサービスを販売した後に、料金を支払ってもらうために発行する書類です。そして発注書とは、仕事や原材料の納入などを第三者である業者に依頼する際に、商品の数量などを伝えるための書類です。
こうした書類にも、印鑑の押印が必要となるケースがほとんどです。そのため、印鑑を準備していないと見積書や請求書、発注書を作成できず、満足に料金を請求したり仕事を依頼したりできなくなる恐れがあります。ここまでしつこく言ってきたように、フリーランスや個人事業主にとって印鑑は、仕事をこなす上で必須の道具なのです。
1-5 訂正印として
公的な文書を作成する場合、記載内容を間違えた際には訂正印を押す必要があります。訂正印とは、文章の記載を訂正する際に押す印鑑であり、「契約書を記載した本人が訂正したものであり、他人による改ざんはない」ということを証明する目的で行います。
主に重要書類の訂正で必要となり、二重線で該当箇所を引いた上で、その近くに訂正印を押す形で訂正を行います。なお訂正印は、その書類に元々押印していたものと同じ種類の印鑑を用いるのが一般的です。例えば角印を使ったならば、同様に角印を使って訂正するのが一般的でしょう。ただし帳簿や伝票の訂正で用いる訂正印については、店舗で購入した訂正印用の印鑑を用いることもできます。
どんなに用心深い人でも、何十枚何千枚と書類を書いていると、多少の書き間違えは出てくるでしょう。そうした場合にスムーズに訂正できるためにも、印鑑は持っておいて損はないのです。
1-6 郵便物を受け取るなど日常で
これは個人事業主やフリーランスに限った話ではありませんが、郵便物を受け取るなど日常の業務などで印鑑を押すケースもあります。事業内容によっては、例えば原材料のサンプルを受け取るなどの場面で、郵便を利用するケースもあるでしょう。そうした郵便ではサインで済むこともありますが、より正確に受け取ったことを示したいならば印鑑を使うのがベストです。
ただし公的な書類や届出ではないため、安価かつ手軽に購入できるシャチハタやゴム印でも問題ありません。特に個人事業主やフリーランスは、自宅を事業所として事業を行う場合も多いです。そうなるとプライベート用の宅配物などもくると思います。そうしたときに印鑑を持っておくと、手軽に郵便物を受け取れて便利でしょう。
2 フリーランスや個人事業主が持つ印鑑の種類
一口に印鑑と言っても、その種類はさまざまあります。「〇〇印」と呼ばれるものは多々あり、一体どの印鑑が必要なのか悩ましく感じる方もいるでしょう。結論から言うと、印鑑によって、それぞれ使用すべき場面や利点が異なるため、事業内容やご自身の希望などによって揃えるべき印鑑の種類は変わります。印鑑それぞれの特徴や利点を踏まえて、ご自身にとってどの印鑑が必要かを考えなくてはいけません。
フリーランスや個人事業主が持つ主な印鑑を6種類ご紹介しますので、必要となる印鑑をピックアップしてください。
2-1 代表印(丸印)
代表印とは、個人事業主やフリーランスの方の氏名が記載された印鑑です。「丸印」や「事業用丸印」とも呼ばれており、基本的にはプライベートで用いる印鑑と大差はありません。ただしプライベートとビジネス用を分けておくことで、管理しやすくなる上に対外的な信用力アップの効果も期待できます。
なお屋号を使ってビジネスを営む個人事業主やフリーランスの場合は、真ん中に「代表者印」、周りに屋号が書かれた事業用丸印を作成するケースも少なくありません。代表者名のみが書かれた印鑑と比べると、よりビジネス的な要素が強い印鑑となっています。そのため、より対外的な信頼度のアップにつながります。
主に代表印は、契約書や請求書、発注書などへの押印から公的な書類への押印など、あらゆる要素に活用できます。基本的に代表印一つあれば、フリーランスや個人事業主として問題なく活動できます。印鑑をあまり作りたくないという方も、ビジネスを円滑に行うためにも代表印だけは作成しておくのがベストです。
2-2 銀行印
銀行印は、代表印と同様にその方の氏名が書かれた印鑑です。その名の通り銀行印は、ビジネスで用いる銀行口座の開設や、銀行での手続きで用いる印鑑となります。
屋号を持っているフリーランス・個人事業主の場合、契約書や発注書などは屋号が書かれた印鑑で押印することが多いです。ですが銀行の場合は個人名で登録するため、銀行印には屋号を書かずに代表者の氏名を記載するケースが多いです(ただし屋号を書いた印鑑を使うことも可能)。
こちらも代表者印と同様に、プライベートとビジネス用で銀行印を分けることで、管理しやすくなったり、対外的な信用力が増すメリットが得られます。
2-3 角印(社印)
角印とは、四角の形をしている印鑑であり、社印とも呼ばれています。株式会社の場合は会社名、個人事業主やフリーランスの場合は屋号が縦書きで記載されている点が特徴です。
代表印と同様に、角印は契約書や発注書への押印や、公的な文書に押印する際など、ビジネス全般で活用する印鑑です。そのため、印鑑としての活用目的や効力自体は代表印(丸印)と変わりありません。
ただし角印は、丸印(代表印)と比べると、しっかりと会社としての権威を表す印鑑として見なされやすいです。そのため、重要な取引などで角印を活用することで、より一層信用力を増す効果が期待できます。
ただでさえ個人事業主やフリーランスは、会社法人と比較すると信用力が低くなる傾向があります。大企業や士業などの伝統や信用を重視する会社相手に商談を行うと、個人というだけでマイナスに見られる可能性もあります。そうした場面で角印を使えば、しっかり事業を行っていると認識してもらえ、結果的に商談を有利に進めることができるかもしれません。
2-4 個人認印
必須ではありませんが、フリーランスや個人事業主の方には個人用の認印を持っておくのもオススメです。認印とは、印鑑登録していない印鑑です。つまり個人認印とは、個人用(ビジネス用ではない)の認印です。
郵便物の受け取りや日常的な作業の確認時など、プライベートで使用している印鑑のほとんどは個人認印でしょう。フリーランスや個人事業主として活動するにおいて、個人認印は必須ではありません。ですが、プライベートでの生活を行う上でほとんど必須となるため、基本的に持っておいて損はありません。
また、開業届や青色申告申請書などの提出では、個人名での押印が必要です。代表印をあらかじめ作って押印するのも良いですが、普段使っている認印を持っておけば手軽で便利でしょう。
シャチハタなどの一部の印鑑を除けば、基本的に個人用の認印として幅広く活用できます。事業を行う中で簡単な手続きなどで重宝するので、ぜひ個人認印は作成しておきましょう。
2-5 個人実印
こちらも必須ではないものの、個人用の実印もフリーランスや個人事業主としてビジネスを行う上でぜひ持っておきたい印鑑の一つです。実印とは、住民登録をしている自治体の役所(役場)にて、ご自身の名前が彫られたハンコを登録しているものです。個人実印という場合は、個人用(プライベート用)の実印を意味します。
一見するとプライベート用の印鑑であるため、フリーランスや個人事業主には不要だと思うかもしれません。ですが実は、フリーランスや個人事業主として働く上でも個人実印が必要となるケースが多々あります。
具体的には、印鑑証明書の提出が必要となる重要な契約にて、個人実印が必要となります。なぜなら、個人事業主は会社とは違い登記を行っていないためです。個人実印が必要となる具体的な場面としては、主に下記が想定されます。
- ○ローン契約
- ○不動産契約
- ○自動車の購入
個人事業主やフリーランスとして事業を行う上では、ローンを組んだり不動産を契約する場面、事業で使う自動車を購入するケースが出てくる可能性は十分あります。そのような場合には、自治体の役所に登録している個人用の実印が必要となります。いつ必要となるか分からないので、あらかじめ個人実印は用意しておくのがオススメです。
2-6 ゴム印(住所印)
フリーランスや個人事業主が準備すべき6つ目の印鑑はゴム印です。ゴム印とは、その名の通り印面がゴムで作られている印鑑です。
公的な書類や重要な契約では用いることはできないものの、住所印や小切手印、社判などあらゆる用途で活用できます。特にゴム印が多く用いられているのが住所印としてです。住所印とは、住所や会社名、電話番号が一つの印面に彫られている印鑑です。住所印とは、簡単な契約や取引に関する書類に、会社名や電話番号を書く代わりに押す印鑑です。
個人事業主やフリーランスとして働いていると、頻繁に書類に屋号や氏名、電話番号などを記載する必要があります。毎回氏名や電話番号を記載するのは手間がかかる上に面倒です。そこでゴム印(住所印)を用意しておけば、面倒な手間を大幅に削減することができるのです。
毎月一定額の給与が入るサラリーマンとは違い、フリーランスや個人事業主は働いた分だけ報酬を得られる仕組みです。言い換えると、書類作成などの余分な作業に時間を取られると、その分だけ本業を行う時間が減ってしまい、得られる収入も減ってしまいます。
少しでも多く収入を得るためにも、面倒な氏名や電話番号の記入はゴム印で済ませるようにして、本業により多くの時間を費やせるようにしましょう。
3 印鑑のサイズと書体はどうすべき?
印鑑を作る上で、もう一つ気になるのがサイズと書体です。実は印鑑には、あらゆるサイズや書体があり、作成する際にはサイズと書体をご自身で決定する必要があります。この章では、フリーランスや個人事業主の方にとって、適正な印鑑のサイズや書体を詳しくご説明します。
3-1 印鑑の適正サイズ
まず適正なサイズについてですが、性別や印鑑の種類によって異なります。一般的には、女性は男性よりも一回り小さいサイズ、実印や銀行員は認印よりも大きいサイズで作ります。
具体的な印鑑の適正サイズ(直径)は下記になります。
⑴男性フリーランス・個人事業主用印鑑の適正サイズ
男性フリーランスや個人事業主の場合は、下記のサイズが適正と言われています。
- ○認印(1.2cm〜1.35cm)
- ○銀行印 (1.35cm〜1.5cm)
- ○実印 (1.5cm〜1.8cm)
⑵女性フリーランス・個人事業主用印鑑の適正サイズ
女性フリーランスや個人事業主の場合は、下記のサイズが適正と言われています。
- ○認印(1.05cm〜1.2cm)
- ○銀行印 (1.2cm〜1.5cm)
- ○実印 (1.35cm〜1.65cm)
3-2 印鑑に適した書体
基本的に印鑑の書体は自由ですが、一般的には印鑑の種類に応じて書体を変えることが多いです。ここでは、認印、銀行印、そして実印に適した書体をそれぞれご紹介します。
⑴認印
認印には、隷書体または古印体のいずれかの書体が適していると言われています。隷書体は日本銀行券にも用いられている馴染みのある書体であり、バランスの取れた端正さが特徴の書体です。可読性の高さから、普段使いで用いる認印には最適の書体です。
一方の古印体とは、日本漢字を基に進化を遂げた書体であり、印章などに用いられています。墨の溜まりが特徴であり、日本らしさを表していると言えます。こちらも可読性が非常に高いため、認印ではよく用いられています。
⑵銀行印
銀行印には、太枠篆書体または吉相体のいずれかの書体がオススメです。太枠篆書体とは、国宝【漢委奴国王】の金印に用いられている「篆書体」をベースに作られた書体です。通常の篆書体と比べると、印鑑の枠が太い一方で字体自体は細いことが特徴的です。歴史のある書体であるため、隷書体や古印体と比べると可読性は低いです。可読性が低い分偽造されにくいので、銀行印には最適です。
吉相体とは、風水や易学などで用いられることの多い書体です。外枠と文字が接する場所が多い点が大きな特徴であり、デザイン性の高さが人気となっています。可読性は太枠篆書体と同様に低いため、偽造されにくく銀行印としては最適な書体です。
⑶実印
実印には、前述した篆書体と吉相体が一般的に用いられています。基本的には銀行印と同様に、可読性の低い書体がオススメです。
4 フリーランスや個人事業主が複数の印鑑を持つメリットとデメリット
先ほど印鑑の種類を複数ご紹介しましたが、極端な話一つだけ印鑑を作成しておけば、フリーランスや個人事業主として活動することは全然可能です。とはいえ、多くのフリーランスや個人事業主は事業を行うにあたって複数の印鑑を持っています。
では、フリーランス・個人事業主が複数の印鑑を持つとどのようなメリットがあるのでしょうか?反対に、複数の印鑑を持つ際に注意すべきデメリットは何でしょうか?ここでは複数の印鑑を所有するメリットとデメリットをお伝えするので、参考にしてください。
4-1 フリーランス・個人事業主が複数の印鑑を持つメリット
フリーランスや個人事業主が複数の印鑑を持っておくと、下記2つのメリットを得られます。
⑴紛失時の手間を省ける
目的に応じて代表印や銀行印、実印などと印鑑を分けておくと、印鑑を紛失したときの手間を省くことができます。
代表印や銀行印などをすべて1つにまとめれば、確かに管理は楽になりますし作成に要する費用も削減できます。ですが万が一なくしてしまうと、銀行への届出(銀行印)や重要な契約で用いた実印などをすべて変更する必要が出てきます。つまり実印や銀行印などをすべて変更する手間が生じるため、多大な労力と時間がかかってしまいます。
一方で目的に応じて印鑑を分けておけば、一つを無くしたとしても、無くした印鑑だけ変更すれば良いため大幅に手間を省くことが可能です。例えば銀行印だけ無くしてしまったならば、銀行印だけを変更する届出を行えば問題ありません。
どれだけ用心して印鑑を管理していても、完璧な人はどこにもいないので無くしてしまうリスクはあります。日頃から仕事に追われているフリーランスや個人事業主にとっては、万が一無くしたときの労力を考えて複数の印鑑を持っている方が適していると言えます。
⑵偽造による悪用リスクを減らせる
銀行印や代表印などを実印とひとまとめにして活用している場合、偽造などのリスクが高くなってしまいます。例えば代表印などと併用している実印を無くしてしまうと、いつの間にかローンを組まされていたり、いつの間にか連帯保証人にさせられるリスクがあります。
人によっては、銀行印や代表印を頻繁に外に持ち出すことが多いでしょう。実印と併用していると、外出時に無くすリスクが高まってしまうのです。最近は契約時に厳格な本人確認を行うケースが増えているため、印鑑が悪用されるリスクは低いと言えます。ですが100%悪用されないとは言い切れないので、対策して損はありません。
そんな中で有効なのが、実印を銀行印や代表印などと分けておく方法です。実印を銀行印や代表印と分けておけば、実印が紛失・偽造されることで連帯保証人になるようなリスクを限りなく軽減できるでしょう。
実印が悪用されると、場合によっては個人事業主として事業を継続するのが困難なほどの損失をこうむる可能性があります。そのようなリスクを避けるためにも、実印だけは別の印鑑を作成し、個別で保管しておくのが良いのです。
4-2 フリーランス・個人事業主が複数の印鑑を持つデメリット
複数の印鑑を持つことで得られるメリットは大きいものの、下記に挙げたようなデメリットもあります。とはいえ、相対的に見てメリットの方が大きいため、基本的には複数の印鑑を持っておくのがベストです。
⑴いちいち印鑑を使い分ける必要がある
当たり前のことですが、代表印、銀行印といったように印鑑を分けて作ると、毎回用途に応じて印鑑を使い分けなくてはいけません。例えば普段はゴム印や代表印で済ませていても、銀行での手続きでは銀行印が必要となってきます。
あまりにも印鑑を多く作成しすぎると、すべての印鑑の用途を把握しきれなくなり、使い間違える可能性も出てきます。普段の仕事が忙しく考えることが多いフリーランスや個人事業主の場合、なおさら複数種類の印鑑を使い分けるのは難しいでしょう。
したがって、まずは銀行印や実印などの重要な印鑑を最低限作成しておき、ある程度事業が軌道に乗ってきたタイミングで、角印などの印鑑を追加で作成するのがオススメです。
⑵印鑑の作成コストが余分にかかる
印鑑を複数持つもう一つのデメリットは、印鑑の作成コストが余分にかかる点です。一種類だけ印鑑を持つ場合は、数千円〜1万円程度のコストで済ませることができます。しかし用途に応じて複数の印鑑を持つ場合には、一つ数千円〜1万円程度の印鑑を複数作成することになるため、10万円弱かそれ以上の費用がかかってしまいます。
事業を始めたばかりのフリーランスや個人事業主の場合、十分な資金力は備わっていないことが大半です。そんな状況で印鑑だけのために数万円〜10万円程度も費用をかけるのは難しいのが実際のところです。
こういった観点からも、ある程度事業が軌道に乗ってから複数の印鑑を作成するのがベストです。
5 フリーランスや個人事業主が知っておきたい電子印鑑
「いちいち印鑑を作るのも、いちいち印鑑を毎回押すのもめんどくさい」と考えるフリーランスの方は多いでしょう。特にインターネットに関連したビジネスを行う方であれば、なおさら印鑑を作る手間や押す手間が面倒臭く感じるかもしれません。
そんなフリーランスや個人事業主の方にオススメなのが電子印鑑です。近年はIT業界を中心に、電子印鑑が普及し始めているため、知っておいて損はないです。今後ITが発展するに伴い、もはや電子印鑑が当たり前の時代になる可能性もあるでしょう。そこでこの章では、電子印鑑のメリットやデメリット、作り方を分かりやすくご説明します。
5-1 電子印鑑とは
電子印鑑とは、印鑑を押した跡(印影)を画像データにしたものであり、電子データ上の書面に押印できる印鑑を意味します。電子印鑑を使えば、パソコン上から直接押印して返送することができます。
従来は書面に直接印鑑で押印するのが一般的でした。しかし2005年に施行された「 e-文書法」により、電子化した契約書の効力が認められるようになりました。これに伴い、パソコン上で押印する電子印鑑を活用するケースが大幅に増加しました。
今後IT技術の発展やリモートワークの普及に伴い、電子印鑑の活用ケースはより一層増加すると考えられています。
5-2 電子印鑑のメリット
普通の印鑑と比較した場合、電子印鑑には以下3つのメリットがあります。
⑴取引の手間を削減し、スムーズに行える
最大のメリットは、なんと言っても押印が必要なあらゆる取引の手間を削減することができる点です。通常印鑑を押す場合、送付されてきた契約書類などを印刷する、印刷した書類に印鑑を押す、印鑑を押した契約書類をPDF化する、相手宛に送付する、といった手続きが必要です。もしくは、わざわざ切手を購入して相手方に送付する必要が出てきます。
一方で電子印鑑を活用すれば、印刷やPDF化、切手の購入や郵送などの面倒な手間をすべて削減することが可能です。大幅に押印の手間を削減できるため、結果的にスムーズに取引を進めることができます。
印鑑に関する手続きに要する時間を大幅に削減できるため、その分の時間を利益が発生する仕事に費やすことが可能となります。働いた量が利益に直結するフリーランスや個人事業主にとっては、とてもありがたいメリットと言えるでしょう。
⑵比較的簡単かつ低コストで作成できる
もう一つ大きなメリットは、通常の印鑑と比べて簡単かつ低コストで印鑑を作成できる点です。通常の印鑑の場合、一から印鑑を作成している業者にお問い合わせや見積もりなどを行う必要があるためとても手間がかかります。加えて数千円から数万円もの作成費用もかかります。
一方で電子印鑑の場合は、数百円から2千円程度で作成するサービスがたくさんあります。また簡単な電子印鑑であれば、「Web認印」というサービスを使えば無料で作成することができます。たいていのサービスは名前や書体、大きさを選択すれば簡単に作成できるため、面倒な手続きや手間もかかりません。
前述したとおり、フリーランスや個人事業主ならば利益に直結しない作業はなるべく削減すべきです。印鑑作成の手間を少しでも省ける点で、電子印鑑を作成するのはとても合理的な選択肢と言えるでしょう。
⑶インク代や紙代を削減できる
通常の印鑑を用いる場合は、書類の印刷にインク代やコピー用紙代などの費用がかかります。郵送の場合は郵送費用や切手代もかかってきます。一回にかかる金額は大したことないものの、頻繁に契約書などを印刷するとなると、積もり積もって費用は多額になってしまいます。
一方で電子印鑑を活用すれば、紙の印刷や郵送などが不要となるため、その分インク代やコピー用紙代などのコストをカットすることができます。個人事業主やフリーランスとしての活動が長期にわたるほど、コスト削減のメリットは大きくなるでしょう。
どれほど多額の売り上げを得られても、その分だけ費用がかかっていれば利益は手元に残りません。少しでも多くの利益を手元に残したいならば、こうした小さいところからコストカットを意識的に行うことが重要となるのです。
5-3 電子印鑑のデメリット
電子印鑑を導入するに際しては、下記2つのデメリットにも注意しなくてはいけません。
⑴偽造などのリスクがある
電子印鑑における一つ目のデメリットは、偽造されるリスクがある点です。通常の印鑑であれば、可読性の低い字体を用いたり印面を手彫りにするなどの手段で、偽造されるリスクを減らすことができます。
一方、電子印鑑の場合は、コンピュータにより印面を作成するため、比較的偽造されてしまうリスクが高いです。特に無料のサービスなどを使った場合には、同じサービスを使えば簡単にまったく同じ電子印鑑を作成できる可能性が高いです。
前述したとおり印鑑が偽造されると、勝手に借金の連帯保証人にされるなどのリスクが高くなります。場合によっては事業を継続することが困難となるような事態にもなりかねません。こうしたリスクを避ける点では、通常の印鑑をしっかりと作成しておくのが好ましいです。
ただし近年は、作成者やタイムスタンプなどの情報が付属された電子印鑑を作ることもできます。こうした電子印鑑はセキュリティが高いため、偽造されるリスクは小さくなります。こうしたセキュリティのリスクが小さい電子印鑑を活用すれば、偽造面でのデメリットを小さくできるでしょう。
⑵利用できない場面がある
電子印鑑は比較的新しい上に知名度や認知度もそこまで高くありません。そのため、取引相手によっては電子印鑑の利用を認めてくれない可能性があります。仮に認めてもらえなければ、どっちみち新しい印鑑を作成する必要がある上に、電子印鑑を作成した手間が無駄になってしまいます。
とはいえ近年は、法改正の影響もあり公的な文書でも電子印鑑を活用できるなど、電子印鑑を活用できるケースは増加しています。念のため相手企業への確認は必要となるものの、問題なければ積極的に活用するのが良いでしょう。
5-4 電子印鑑の作り方
電子印鑑の作成方法は、大きく「無料の作成ソフトを活用する方法」、「実物の印影をスキャンする方法」、「印鑑を通販しているサイトから購入する方法」、「Adobe Acrobatを活用する方法」の4つに分けられます。
⑴無料の作成ソフトを活用する方法
一番手軽なのが、前述したWeb認印などの無料で電子印鑑を作成できるソフトを活用する方法です。サービスにより差はあるものの、指示に従って印面に入れたい文字(氏名など)や希望する文体、サイズなどを入力すれば簡単に電子印鑑を作成可能です。
無料で作成できる上に手軽なものの、簡単に偽造できる上に公文書には活用できない点がデメリットです。
⑵実物の印影をスキャンする方法
二つ目に紹介するのは、実際に印鑑を押した印影をスキャンすることで電子印鑑を作成する方法です。具体的には、お手持ちの印鑑を紙面に押印し、その紙を画像データ化することで電子印鑑を作成します。
実際に持っている印鑑をスキャンするため、偽造されるリスクは相対的に小さいです。ただし手元に残っている画像データから偽造されるリスクはあります。また、そもそも印鑑を持っていないと利用できない方法なので、はじめて印鑑を作るフリーランスや個人事業主には不向きです。
⑶印鑑を通販しているサイトから購入する方法
三つ目に紹介するのは、印鑑を販売しているサイトから、通常の印鑑を購入するのと同じ要領で電子印鑑を購入する方法です。
無料で作成する場合と比べて、より複雑な書体を実現しつつ、高画質で作成できる点がメリットです。ただし費用がかかる上に、あくまで画像に過ぎないため実印や銀行印として活用することはできません。
⑷Adobe Acrobatを活用する方法
最後にご紹介する方法は、Adobe Acrobatというソフトを活用して電子印鑑を作成する方法です。
利用に料金がかかる点は難点であるものの、持ち主の情報やタイムスタンプを記録した電子印鑑を作成できるメリットがあります。セキュリティ面の安全性が高いため、重要な契約書などにも押印することが可能です。
またこちらの方法で作成した電子印鑑は、PDFの文書でも活用できます。したがって、本格的に電子印鑑を使っていきたいというフリーランスや個人事業主の方には、こちらの方法が最もオススメです。
6 フリーランス・個人事業主におすすめの印鑑業者
印鑑の重要性や必要性をわかったところで、実際にどこで印鑑を作れば良いか迷う方もいると思います。基本的にはどこで作っても問題ないのですが、選択肢が多すぎて決められないこともあるでしょう。
そこで今回は、フリーランスや個人事業主におすすめの印鑑業者を厳選して5つご紹介します。これから印鑑を作りたいと考えている方は参考にしていただければと思います。
6-1 ハンコヤドットコム
印鑑のネット通販でNo.1のシェアを誇るハンコヤドットコムです。実印や銀行印など、フリーランスや個人事業主として活動する上で必要な印鑑がすべて揃っています。値段も1つ2,000円〜3,000円から購入できるため、リーズナブルに印鑑を作りたい方にはオススメです。
また、フリーランスや個人事業主に必要な印鑑がすべて揃ったセットも販売しているため、あまり深く考えずに作成することも可能です。何より実績やシェア数が多いため、安心して利用できる点が魅力と言えるでしょう。お急ぎで印鑑を使う場面でも、最短即日からの発送にも対応しているのもオススメできる理由の一つです。
参考:ハンコヤドットコム
6-2 パプリ
中小企業向けのオフィス用品の販売で有名なアスクルが運営している「パプリ」というサービスです。パプリをオススメする大きな理由は、Web上で手軽に高品質の印鑑を作成できる点です。代表者印や銀行印などの印鑑を出来上がった時のイメージを確認しながら手軽に作成できます。値段は6,000円前後とハンコヤドットコムよりも若干高いものの、手軽さや品質の良さからこちらもオススメです。
なおパプリで印鑑を注文した場合は、最短で翌日の発送となります。こちらも比較的早めに印鑑を受け取ることができるため、急な用事で印鑑が必要となった時におすすめのサービスです。
参考:パプリ
6-3 印鑑の匠ドットコム
質の良い印鑑を安く作りたいフリーランス・個人事業主の方にオススメなのが、印鑑の匠ドットコムです。こちらのサービスをオススメする理由は、業界トップクラスの安さで高品質の印鑑を作成できる点です。例えば完全手彫りの印鑑を4,700円台から作成できます。高級感あふれるチタン製の印鑑についても、なんと5,000円未満で作成できてしまいます。
また、パステルカラーでお洒落な外観の印鑑を作成できる点も、印鑑の匠ドットコムならではの特徴です。カラフルでお洒落な印鑑を1,500円台から作成できるので、お洒落さをアピールしたいフリーランスや個人事業主の方にとてもオススメです。
豊富なラインナップや品質の良さ、安さが顧客から高い評価を受けており、顧客満足度はなんと98%にのぼります。お洒落で本格的なハンコをリーズナブルに作れるので、前述した2つのサービスに負けず劣らずおすすめのサービスです。
参考:印鑑の匠ドットコム
6-4 小林大伸堂
本格的な印鑑を作成したいフリーランスの方におすすめのサービスが小林大伸堂です。こちらのサービスの特徴は、開運につながる印鑑を販売している点です。生年月日を基におすすめの印鑑を提供しており、印鑑で仕事の験担ぎをしたい方にはオススメです。
また、本格的な印材を使っている点も同サービスの大きな特徴です。水牛の角や薩摩本つげなど、高品質の素材が用いられています。値段は1万円以上と少々お高いですが、素材の高品質さや運を呼び込む造りなど、他社サービスにはない印鑑を購入できる点がメリットです。
少々お金がかかっても本格的な印鑑を持っておきたいフリーランスや個人事業主の方は、こちらのサービスを使ってみてはいかがでしょうか?
参考:小林大伸堂
6-5 ダルマ屋印房
ダルマ屋印房は、京都でおよそ100年間にわたって印鑑を作り続けてきた実績のあるハンコ屋です。職人歴が68年の職人と38年の職人が手造りで作った印鑑は、圧倒的な品質の良さを誇ります。伝統工芸職人が手彫りで作成するため、偽造などによるリスクが限りなく低くなります。その品質の高さは、官公庁が御用達となっていることからも伺えます。
そんな最高品質の印鑑であるにもかかわらず、なんと6,000円前後から作成できる点も驚きです。最高品質の印鑑をリーズナブルな価格で作れる点で、ダルマ屋印房は本格的に事業を行いたいフリーランスや個人事業主にとって最適なサービスの一つと言えます。
参考:ダルマ屋印房
7 コロナ渦での新しい会社設立のあり方
新型コロナウイルスの流行に伴うコロナ渦は、様々な方面に多大な影響を与えています。会社設立においては、手続きを自分で行うということがより手間がかかり、そして若干の感染リスクを伴う可能性がある状況となりました。
6月から新しい生活様式に合わせ、様々な社会活動が再開し始めました。会社設立の手続きに関しては、会社設立の代行業者はリモートに対応しているケースが増えた一方、公証人役場、法務局などは従来の手法を踏襲し、窓口での手続きを原則とするパターンが多いです。
窓口まで赴くと言うことは、自分から三密の場に身を置きに行くような物なので、今後は、会社設立代行業者に会社設立を依頼する必要性がより高まっていくと推測されます。そこでここからは、コロナ渦を踏まえた新しい会社設立の手順を押させておきましょう。
7-1 コロナ渦で三密を避ける必要性
新型コロナウイルスが社会に影響を及ぼす状況となって数ヶ月が経過しました。当記事を書いている5月下旬から6月上旬においては、社会活動も徐々に再開し、いかに新型コロナウイルスと共存し、新しい社会のあり方を築くかが大きな課題となっています。
コロナウイルス発生前と発生後では、社会の状況も変化したと言わざるを得ません。特に「人と人との直接の対面を避ける」「三密(密集・密閉・密接)を避ける」ということが様々な場所で意識されているように感じます。
この状況下で、会社設立に伴う公証人役場での手続き及び法務局での手続きを、設立当事者が現地に行って行うことは、「三密の場」に身を置くような状態であり、好ましいことではありません。
しかし、公証人役場や法務局の手続きは、個人が手続きする上では、オンラインで行うのはかなりハードルが高いというのが現状です。
例えば、公証人役場で定款認証を受ける場合であれば、会社設立の代行業者や専門家に依頼すれば、オンライン手続きと窓口手続きを併用し、スムーズに手続きを代行してくれます。
法務局でも、代行業者や司法書士に依頼することで、大半の部分をオンラインで申請し、残りの書類は郵送することで、会社設立を行う発起人自身が窓口に赴く必要がなくなります。
このように、自分でやると直接公証人役場・法務局へ赴く必要がある一方、オンラインに対応した専門家に委任することで、多くの手続きをオンラインで代わりに行ってくれる点で、三密を回避できます。
ただし、印鑑証明書に関しては、マイナンバーカードを作成していない場合は役所で手続きをする必要があります。マイナンバーカードがあれば、多くの自治体で、コンビニエンスストアで印鑑証明書を取得することができます。
このように、三密を極力避けるという観点からも、コロナ渦の状況において、会社設立の代行業者や専門家に依頼する意義は、より強まったと言えます。
7-2 リモート対応が可能な代行業者・専門家の重要性
実際のところ、リモートに対応できている会社設立の代行業者・専門家の体制については、幅があるというのが率直な所です。
ほぼフルリモートと郵送の併用で打ち合わせができるところもあれば、事務所に代表者が来訪することを前提としているところもあり、事務所によって考え方・柔軟性に幅があるようです。
やはり、新型コロナウイルスの第二波が懸念される現在の状況下では、極力対面を避けて手続きができる会社設立の代行業者や事務所の方が、「新しいことに対する適応力」という観点からもお勧めできます。
会社設立の代行業者にせよ、専門家にせよ、昔からある業界のため、新しいことを取り入れることに対しては、慎重な事務所も少なくありません。
また、業界全体として、ある程度年齢を重ねた方も多いので、デジタルトランスフォーメーションに対する適応力は、事務所によって幅があると推察できます。
いずれにせよ、会社設立の代行業者や専門家とは、今後も長い関わりになるケースが多いため、「新しいことに適応できる事業者・事務所を選ぶ」というのは重要と言えます。
7-3 withコロナの時代の新しいチャンス
新型コロナウイルスにより、様々な産業が影響を受け、同時に人々の価値観が大きく変わり始めています。
この状況というのは、新しいニーズが生まれるきっかけと言え、同時に起業するチャンスとしても好ましいと言えるでしょう。
Withコロナの時代においては、当面の間、非対面・非接触を実現するサービス・商品にニーズが集まることが推定されます。逆に言うと、対面・接触を要するサービスは、新型コロナウイルスに対する治療法が確立されるまで、(場合によってはされてからも)非対面サービスに取って変わられる恐れがあります。
特に、高齢者向け・高齢者と接することが多い人向けのサービスに関しては、非対面・非接触のニーズが強くなるでしょう。
新型コロナウイルスに罹患し、重篤化しやすい高齢者や、高齢者と接する人が多い人(医師・看護師・介護士など)ほど、自身の感染や周囲への感染を恐れ、できるだけ非対面・非接触のサービスを求める傾向は高まると思われます。
これはほんの一例に過ぎませんが、新型コロナウイルスの問題は、様々な業界に大きな影を落とす一方、
- ・これまでそのままにされてきた課題のあぶり出し
- ・既存業界における業務のあり方の再検討
- ・新しいビジネスチャンス
のように、変革のきっかけを起こしているということも言えます。
課題があると言うことは、解決策に対してもニーズがある状況です。様々なことが変わるこの時期だからこそ、起業というのは一つの選択肢ではないでしょうか。
8 コロナ渦での会社設立
コロナ渦の状態での会社設立は、これまでよりも、時間がかかり、伝える力も問われるようになると考えた方が良いでしょう。何故なら、コミュニケーションが対面ではなく非対面中心になるからです。
Web会議機能やチャットなど、対面以外のコミュニケーションが主体になるため、これまでだったら「なんとなく空気で伝わったこと」が、明確活誤解のないように言語化をしないと、こちらの意図が正確に伝わらなくなる恐れもあります。
そのため、「相手がきっとわかってくれるだろう」という姿勢ではなく、「相手に伝わりにくい可能性も想定し、具体的に整理して伝えよう」という配慮が大切と言えます。
8-1 コロナ渦の会社設立の手順
コロナ渦という状況でも、会社設立の手続きが変わることはありません。基本的な会社設立の流れを抑えてみましょう。
会社の全体像を定める | 会社の事業の方針・コンセプトを書面にする。ビジネスを通してどのようなことを成し遂げたいのかが不明確であると、途中で方向性がぶれてしまう可能性もある。会社としての軸を定めることは重要 |
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法人の形態を決める | 株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の中から、法人の形態を決める。現在設立される会社の大半は株式会社か合同会社である。株式会社は、設立時に公証人役場での定款認証手続きがある、毎年決算を公告する必要がある、役員の任期を設定する必要があるなど、合同会社より費用や手間のかかる面はある。一方、知名度が高く、また、「経営者=出資者」という形態ではないため、外部からの出資が得やすい。合同会社は、設立時費用が安価(概ね十数万)であり、決算公告が不要など、コストが安く、株式会社より手間もかからないが、「経営者=出資者」という形態のため、外部から出資を受ける場合は株式会社に改組する必要がある |
商号を決定する | 会社の名前(商号)を定める。覚えやすい社名であること、また他社と検索で重複しないことが望ましい。併せて、他社との商号の重複・類似がないよう、インターネットなどを用いて事前に調査する必要がある |
会社の事業目的を決める | 会社として行う事業に加え、今後行う予定のある事業もできるだけ付け加える。ただし、「金融業」など、日本政策金融公庫等から融資が受けられなくなる事業目的も存在するので、必要のない目的まで並べることは望ましくない。また、許認可が必要な業種の場合は、許認可に関する目的を定款に定めることが重要になる |
本店の所在地を決定する | 本店の所在地に関しては、業態により適した場所が異なり、好立地・家賃高めというのがセオリーであった。しかし、コロナ渦の影響で、賃料の高い立地は今後敬遠される可能性がある。特に、店舗型ビジネスに関しては、新型コロナウイルスの影響が落ち着いた後も、第二波・第三波などが来た場合に、立地と家賃のバランス、固定支出の増大に耐えられるかを検討する必要がある |
事業年度を決定する | 原則は開業月を起点に12ヶ月を取るケースが多いが、個人事業から法人に改組し、消費税の免税を受けるなど目的がある場合は、12ヶ月より短い期間を最初の事業年度とすることも一つの方法である |
資本金額を決定する | 資本金は、会社の為に用意したお金であるため、資本金の多寡は、会社の信用にも関わるので、できるだけ多く用意した方が望ましいと言える。ただし、一定の資本金額を超えると、会社の登録免許税が高くなるケースがある。また、資本金が1,000万円(過去における株式会社の設立基準)を超えると、消費税の1期分・2期分における免税がなくなったり、法人住民税が挙がるなど、デメリットもあるので、100万~数百万(できれば旧有限会社の設立基準であった300万円以上)の資本金を用意できるのが理想。数万、数十万という資本金では、どうしても事業に対する意欲を疑われてしまう可能性がある。また、現金だけでなく現物出資もする事ができるが、現物出資の際に、第三者の証明、所有者名義などの問題もあるので、会社設立の代行業者や税理士などの専門家に相談することが重要 |
出資者を決める | 自分だけが出資するか、他者からも出資してもらうかを決める |
役員を決める | 代表取締役・取締役を決定し、必要に応じ監査役などを置く。また、株式会社の場合は取締役・監査役の任期を2年~10年の期間で選べるが、特にこだわりがなければ最長の10年にすることが望ましい。そうすると、重任時の、登記手続きにかかるコストを減らすことができる |
各役員が印鑑証明を取得 | 公証人役場・法務局での手続きで、印鑑証明を利用し、同時に書面に各役員の実印の押印が必要なケースがある。そのため、事前に役員それぞれが印鑑証明を取得しておく必要がある |
会社の印鑑を作成する | 会社の印鑑セットを発注しておく(会社設立の代行業者や専門家の方で手配してくれるケースもあり) |
会社の定款を作成する | ここまでで決めた事項を盛り込み、会社の定款を作成する |
会社の定款に電子署名を受ける(専門家に依頼した場合) | 定款のWordなどの電子データに対し、専門家に電子署名をしてもらう。署名をしてもらうことで、初めて電子定款として扱われ、収入印紙代の4万円を貼付しなくても良くなる |
定款の認証 | 株式会社設立の場合にのみ必要な手続き。合同会社などの持分会社の場合は不要。本店所在地の都道府県を管轄する公証人役場で手続きを行う。会社設立の代行業者・専門家に依頼している場合は、事業者・専門家側で、訪問することなく必要な手続きを行ってくれる。地域差が大きいと思われるが、新型コロナウイルスにかかる勤務制限などで、従来より手続きに時間がかかる可能性が高いことは念頭に置く必要がある |
資本金の振り込み | 発起人の通帳に、資本金を振り込み、資本金があることを示す |
登記申請手続き | 法務局で登記申請の手続きを行う。新型コロナウイルスの影響で、手続きに関し従来より時間がかかる可能性があることは念頭に置くこと。また、会社設立の代行業者や司法書士などの専門家に依頼している場合は、オンライン申請を通して法務局に行くことなく手続きできる |
登記完了後手続き | 数営業日で登記が完了するが、現状を鑑み多少時間に余裕を見ておく必要性も。印鑑カード、履歴事項全部証明書(口座開設・借入・物件の賃貸借などに利用) |
会社設立完了後の諸手続 | 税務署・労働基準監督署等に、必要に応じて手続きを行う |
概ね上記のプロセスを経て、会社設立は進んでいきます。今後、マイナンバーシステムの整備などにより、手続きが簡素化される可能性がありますが、現状では、公証人役場・法務局など関係機関での厳密な手続きを経て、法人が設立されることになります。
8-2 コロナ渦での会社設立は専門業者に依頼するのがおすすめ
現在のコロナ渦の状態では、多くの会社・団体がリモートワークや交代勤務を行っている可能性があります。
そうすると、通常より手続きに時間がかかることが想定されるため、現在の状況下では、時間に余裕を持たせた手続きと、会社設立の代行業者や専門家への代行依頼を行うことが望ましいと言えます。
また、創業融資や助成金・補助金の活用を検討している場合は、現在日本政策金融公庫をはじめ、多くの金融機関が新型コロナウイルス対策融資に取り組んでいることから、想定以上の時間がかかる可能性があります。
そのため、金融機関からの資金調達を考えている場合は、時間に余裕を持ち、早めに準備・手続きを進めることが必要と言えます。
9 新型コロナウイルスとの共生を踏まえた新しい社会
新型コロナウイルスの発生は、これまでの社会のあり方を、様々な意味で大きく変えてしまう事象であると言えます。
これまで、盤石と思われていた産業、大きな人を集めることで実現したビジネスが、少なくとも新型コロナウイルスに対する治療法が確立し、感染のメカニズムが解明するまでは、大きなダメージを受けるでしょう。
9-1 新型コロナウイルスの影響を受けた業態は
新型コロナウイルスの発生で、大きな影響を受けた可能性の高い産業を列挙しましょう。
航空・鉄道・バスなどのインフラ系 | 県境を超えた移動や長距離の移動の自粛が求められたり、起業のテレワークが普及することで、座席の稼働率が大幅に減少する |
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外食店舗 | 外出の自粛やテレワークの普及などで、外で食事を取る機会が大幅に減少する |
居酒屋・ナイトビジネス | 営業時間が制限されたり、利益幅の大きい酒類の提供できる時間が大幅に限られる。また、ナイトビジネスの場合は、三密に該当する状況が特に成立しやすいため、顧客からも「今はちょっと・・・」と敬遠される |
スポーツビジネス | 野球・サッカー・バスケットボールなどプロリーグで、観客を入れた試合の開催が当面できなくなる。また、会場内や会場周辺の店舗も、これまで見込んだ集客が望めなくなり、大きな減収や、場合によっては事業継続の危機に陥る |
旅行業・宿泊業 | 海外渡航はもちろん、国内の観光に関しても、新型コロナウイルスが沈静化するまでは、旅行・観光地での宿泊が憚られる状態が続く |
遊技業(ぱちんこ店、マージャン店など) | 三密が発生しやすい環境のため、敬遠されやすい |
レジャー施設全般 | ボーリング場・ゲームセンターなど娯楽施設全般に関して、人間の心理として、今は遊んでいる場合じゃないという発想が湧きやすい |
アパレル | 在宅勤務や、服飾消費の必要性の低下から、高単価の品ほど売れにくくなる可能性。また、可処分所得が多い首都圏では、これまでのような買物が難しい |
高級ブランド全般 | 飾り立てるための消費よりも、実生活のための消費や、貯金のための消費の方にお金が回る可能性が高く、また店舗自体も好立地・高コストの体質のため、今後も厳しいことが想定される |
百貨店 | これまでもともと厳しい状態であったが、今回の新型コロナウイルスにより、インバウンド需要が消滅し、さらに厳しい状態に置かれることが考えられる |
その他インバウンド需要を種とする業種 | 海外からの観光客がほぼ皆無に近い状態となったため、これまでインバウンドの恩恵を受けていた業種ほどダメージが大きいと言える |
医療 | 医師・歯科医師なども、新型コロナウイルスへの感染を恐れた患者の来院頻度が減少し、減収が懸念されている |
不動産賃貸業 | 特に好立地・高価格の物件ほど、影響を受けている可能性が高いと推測される |
自動車産業 | 海外のサプライチェーンの供給の乱れに加え、利益幅の大きい高級車などに関し、消費者側に「今はいい車を買う時期ではないよな・・・」という心理が生じ、安価な車が売れやすくなる |
この他にも考えていくと、相当な数の業種が新型コロナウイルスの悪影響を受けていると言えます。
ここまでで述べたとおり、多くのビジネスが打撃を受けるわけですが、一方で新たなチャンスが見込める業界も存在します。
9-2 新型コロナウイルスとの共存で求められるビジネス
新型コロナウイルスは、生活者・消費者の行動を大きく変えることとなりました。
消費者の行動変容に関し、様々なメディアの報道なども踏まえ、考察します。
安全・衛生に対するこれまで以上の配慮 | 多くの人が、手洗い、うがいや帰宅時の洗顔、マスクの着用を強く意識するようになった。それ故に、衛生用品を製造している会社や販売する会社に取っては、現在の状況下でもプラスに働くであろう |
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中食・自宅調理・配達のニーズ | お弁当や惣菜の購入、宅配サービスの利用がこれまで以上に伸長することに加え、自宅調理のための調理器具・食材・ミールキット・レシピサイト・レシピ本などのニーズが高まっていくと想定 |
テレワーク関連機器 | 既に最初のピークは過ぎた感こそあれ、Webカメラ・マイク・外付けディスプレイ・VPNサービスなど、テレワーク関連の機器に関する需要や、テレワーク環境の整備は、政府のIT補助金も後押しとなり、更に伸びていく事が推測できる |
コスト削減ソリューション | 多くの企業でコスト削減に対する関心が高まり、様々な方法でオフィスのコストを削減するソリューションが求められる |
通信教育・Web教育・タブレット教育へのシフト | これまでのように、空間に大人数を集めたり、あるいは個別指導塾のように狭い空間で動画を見ながら学習するプログラムは敬遠され、極力自宅で完結できる教育ソリューションが求められる可能性がある。また、休校時に教育の代替手段としてWeb教育・タブレット教育などゲーミフィケーションを採り入れたプログラムを導入した家庭も多い |
オンラインゲーム・オンラインサービス・デジタルツールのさらなる普及 | 子供の登校規制は徐々に解除されつつあるが、外で集まって遊ぶと言うことはまだなかなか厳しい状態であり、当面はオンラインゲーム・任天堂Switchなどのゲーム機・Netflix、Amazonプライムなどの動画サービス・各種タブレット・スマホ・PCなどの需要は増えていくことが想定される |
イエナカ消費の増大 | 緊急事態宣言解除後も、自宅内で過ごす時間が必然的に長くなり、インテリア・おもちゃ・書籍など、自宅内で楽しく過ごせるツールのニーズは根強くあると思われる |
占いサービスや話を聞くカウンセリングなど、社会が不安定だからこそ、不安を受け止めるサービス | 社会の情勢が不安定になると、人間は心の拠り所が必要となる。占いのようにカジュアルに悩みを相談するサービスや、カウンセリングのように精神的ケアも含めて受け止めていくサービスは、今後ニーズが顕在化すると推測できる |
無人化ソリューション | あらゆる業務を、ロボティクスの活用などを通し無人、もしくは半無人で行えるサービスが求められる |
誹謗中傷に対するソリューションサービス | 在宅勤務や、学校の休みで暇ができたり、職を失った人が多く出たことから、ストレスのはけ口として、誹謗中傷を行うケースが目立ち始め、社会問題となっている。弁護士との連携(有償で紹介するのは問題なので、注意が必要)も含め、誹謗中傷に対する、リアル・Webでのソリューションを提供できることは強みになるだろう |
複業に関するサポートサービスや従業員のシェアリングサービス | 今後、これまで以上に一社だけで1人の面倒を一生見るという状況はなくなっていく可能性は少なくない。複業を支援するサービスや、従業員が複数の会社に関われるようにする、従業員シェアリングのサービスなど、働き方に対する新しいニーズが生じてくると推測される |
郊外・地方の一戸建てに対するニーズ | 今後のテレワークの普及に伴い、各人が仕事用の個室を持てる一戸建てへのニーズはより強まるであろう。郊外でも、4~6LDKの家は少なくないが、地方であれば十数LDKという家も多く、また庭や畑の手入れなどで自然とふれあうこともできるため、郊外・地方へのシフトが強まっていくことも想定される |
ここまでで書いたように、新型コロナウイルスで人々の生活様式が変化、行動変容が発生したため、これまで注目を浴びてこなかった産業や、存在自体がなかった産業がメインストリームに躍り出てくる可能性が少なからずあります。
どの事業でも、最初はテストマーケティングとして小規模で始め、勝算が見えて初めて規模を拡大するなど、市場に対するテストを辛抱強く、かつスピード感を持って行うことが大切です。
9-3 withコロナの時代に求められる物とは
新型コロナウイルスは、これまで流行したSARS、MARS以上に感染力が高く、日本だけでなく世界全体に「疫病」という恐怖を強く認識させる結果となりました。また、日本でも著名な芸能人が新型コロナウイルスによって亡くなるなど、日本全体に与えたショックは計り知れません。
また、これまで普通にできていた、
- ・外で食事をする
- ・飲み会をする
- ・コンサートに行く
- ・アミューズメントパークに行く
- ・旅行をする
- ・海外へ行く
などの行為も極めてハードルが高くなってしまいました。
また、少なからぬ職場でリストラやフリーランスの契約停止も相次ぎ、人生計画に大きな支障が生じている人も少なくないでしょう。
この状況下で、そのまま流されてしまうか、それとも自分の足でしっかり立ち、転職なり、起業への第一歩を進めていくべきかは、当人の選択次第です。
現状が大変なことになっているのは多くの人が体感として得ています。しかし、その中でどう立ち回っていくかは、これからのポストコロナ時代に生きる人間に、突きつけられた課題と言えます。
自身の業務が消失したり、業務そのものに将来性がなくなったとしても、ポジションをずらすことで、ここまで培ったスキルが活きる場が見つけられる可能性があります。
また、自身が趣味として行っていたことが、ビジネスに発展する可能性もあります。
夜景評論家として知られるある方は、「自身が夜景好き」ということを極め、夜景評論家として、夜景の監修などのポジションを得ています。
また、あるラジオの構成作家は、「文房具が好き」という点を突き詰めました。どのペンが書きやすいかなどをテーマにして「文具に詳しい構成作家」という、複数のスキルの掛け合わせでポジションを獲得するなど、趣味をビジネスに活用しているケースというのは意外とあるものです。
このように、趣味とスキルの掛け合わせや、スキルとスキルの掛け合わせが、ビジネスに対して効果を生むと言うことは、意外と起こりうるのです。
自分が今できることと、withコロナの時代に求められる物の共通項を見つけ出すことで、withコロナ下において、どのようなビジネスに取り組んでいくべきかというヒントを見つけるきっかけになるのではないでしょうか。
10 まとめ
今回の記事ではフリーランスや個人事業主における印鑑の必要性や、持っておくべき印鑑の種類、オススメの印鑑作成サービス、会社設立の手続きについて解説しました。
そもそもフリーランスや個人事業主は、役所などの公的機関への書類提出や銀行での手続き、契約書への押印、見積書や請求書、発注書への押印などの場面で印鑑が必要です。印鑑には代表者印や銀行印などさまざまなものがあるので、状況に応じて使い分けるのがオススメです。
印鑑のサイズや書体は、性別や印鑑の種類により異なります。今回は一般的に適しているサイズや書体をお伝えしましたが、ご自身にとって最適なサイズや書体を見つけていただければと思います。なお近年は、画像データを用いる電子印鑑も普及しています。公的な文書などで活用できないケースこそあるものの、手軽に押印できるので持っておいて損はないでしょう。
また、現在の新型コロナウイルスに関する社会情勢・様々な課題は決して楽観視できる物ではありません。しかし、今だからこそなしえる事業というのも少なくないので、ぜひ起業を考えている方は、現状をポジティブに捉え、前向きな解決方法を提案していく姿勢を取ることが望ましいでしょう。